【ドルブルを理解しよう①】ドリブルは「運ぶ」と「仕掛ける」の使い分けを理解しよう
サッカーの基礎技術でよく言われるが「蹴る、運ぶ、止める」です。サッカーをやる上では永遠の課題であり、できるようになったという事はないでしょう。
これは、選手だけの課題ではありません。指導者も、この技術をどのように選手に伝えていくかは永遠の課題でしょう。
今回は「運ぶ」の技術、つまりドリブル(ボールコントロール)です。
ドリブル練習も様々な練習メニューがありますが
ドリブルが上手い選手を想像すると「ドリブルの上手い選手=抜ける」と思っている方は多いのではないか。ボールコントールが優れ、テクニックで相手をかわしていく。確かに上手い選手には変わりはないが、それは一部分の上手さです。
本当に上手な選手は、状況に応じたドリブルをすることができる選手です。
ドリブルの様々な練習メニューがありますが、なんの為の練習か理解しなければ意味がありません。理解しなければ試合で起きるエラーの原因もわかりません。
まずは、ドリブルの種類を理解し指導に役立ててください。
スペインではドリブルには2種類あると指導されています。
「運ぶドリブル(コンドゥクシオン)」と「仕掛けるドリブル(レガテ)」です。
スペインではこの2種類を分けて指導していきます。
運ぶドリブル(コンドゥクシオン)
多くのシチュエーションで使用します。極端にスピードを上げずに、顔を上げ視野を大きく確保する、細かくアウトサイドでタッチし、いつでも方向転換できるような状態でドリブルを行います。ただし、相手にボールを奪われないことが原則です。
使用場所
- デイフェンスゾーン~中盤
状況
- 前にスペースがありボールを前進させる時
メリット
- ボール保持を続けられる。なのでチームで保持していることになる。
- 他の選手がサポートやマークを外す動きをする時間がつくれる。
- ゲームをコントロールし、プレーを落ち着かせることができる。
デメリット
- プレーの停滞(パスコースがなくなる、オフサイドのリスク増加、突破口が閉じられる)
- プレースピードの低下
ゲームを組み立てるのに使用するドリブルと捉えていいです。
仕掛けるドリブル(レガテ)
「仕掛けるドリブル」は前線のアタッキングエリアでゴールを奪うために行い、ボールロストするリスクを伴うドルブルです。
スピードアップすることで視野が狭くなり、ボールコントロールが非常に難しくなります。
相手を抜き、シュートもしくはセンタリングを上げるなどフィニッシュを視野にいれたドリブルとなります。
メッシやC.ロナウドなど花形プレイヤーが得意としています。
どこでも「仕掛けるドリブル」が多い
リスクのある「仕掛けるドリブル」をディフェンスラインで行えば、なにが起こるかは想像できますね。
育成年代での試合ではよく見かける場面です。子供達には「ドリブルが上手=仕掛けるドリブル」のイメージが強いです。
中盤で「仕掛けるドリブル」を行いボールコントールが不安定になり、パスミスやボールロスト。また、「仕掛けるドリブルばかりでチーム全体が落ち着かない」などよくあると思います。
場所、状況によってドリブルを使い分ければ、もっと試合に生きるドリブルができます。育成年代には2種類のドリブルを理解させ、そのうえでトライさせましょう!