【ドリブルを理解しよう②】「運ぶドルブル」のエラーと改善案
前回、「運ぶドリブル(コンドゥクシオン)」と「抜くドリブル(レンテ)」と分けて考えることを記事にしました。
今回は「運ぶドリブル」について詳しく解説してきます。
指導者が覚えなくてはいけないのが、こんなエラーが起きるという予備知識、それに対する改善案を持たなければなりません。
よく見かけるのがエラーが起きた瞬間にベンチから「なんでパスを出さない!」「取られるな!」「なにをやってんだ!」など、エラーしたこと自体を、瞬間湯沸かし器のように怒鳴りちらす指導者をみかけます。
エラーしたこと自体を怒っていたら子供はチャレンジをしなくなります。
指導者は怒るのではなく、エラーをした原因を観察・認識し、改善方法を伝えるもしく気付かせ、積極的にチャレンジをさせましょう。
いつ?どこで?なぜ?どのように?
まずは、「運ぶドリブル」についてしっかり理解しましょう。
- いつ?・・・ボールを前進させるスペースがある場合
- どこで?・・・ディフェンスラインから中盤
- なぜ?・・・優位な状況を作り出すため
- どのように?・・・スピードは極端にあげず、顔をあげ視野を広く保つ、ボールタッチはアウトサイドで細かくタッチ、相手がいる場合は遠い足でボールコントロールする。また、ボールをロストしないのが原則。
詳しくは、メッリトとデメリットを掲載してますのでそちらを参考にして下さい。
運ぶドリブルでの原因(エラー)と改善策の具体例
例1
エラー内容
ボールがコントロール(自分の支配下)できておらず、慌てたプレーになる。方向転換ができない。パスが正確に出せない。
改善案
ボールが体から離れないよう、ボールを蹴らずにボールと一緒に自分も移動しながら押し込んでいくイメージでドリブルする。足を一歩出すごとにボールに触れる。
例2
エラー内容
ドリブル行うがその後の展開ができないで迷ってしまう。
改善案
目線を上げ視野を広く持ち、敵・味方の位置、スペースの認識など情報把握を行う。
展開のイメージを持たせる指導。
例3
エラー内容
急な状況変化で慌ててしまいボールをロストする。
改善案
状況に応じてボールタッチする場所(インサイド・アウトサイド・足の裏など)を適切に選択できるようにする。
例4
エラー内容
相手がいる状況でボールロストしてしまう。上手くボールを守ることができない。
改善案
相手から遠い足でボールコントロールを行う。
例5
エラー内容
パスができる状況なのに運ぶドリブルを続ける。
改善案
視線をあげ状況把握をする。なせ運ぶドリブルするのか理解を求める。他の選択肢をしたときに褒める。
練習はただの練習にならないよう目的をしっかりと
ドリブルの練習メニューは沢山ありますが、同じ練習を行っても効果はあんた次第で変わります。ただ練習をこなすのか、目的をもって練習するかでは歴然の差が生まれます。
また、エラーはボール保持者の技術の問題ではない場合もあります。エラー原因を認識するためには指導者も広い視野を持ってください。
同じエラーを繰り替えさないよう、エラーの認識、改善の知識を豊富にしていきましょう。